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欧州フィジカル・スポーツメディカルレポート by チャビ・リンデ / 第1回『慣性トレーニングとスポーツ理学療法』




皆さんこんにちは。そして初めまして。

Invisible trainingの代表を務めるチャビ・リンデです。


私は理学療法士、再適応士としてヨーロッパ、スペインのバルセロナを拠点に活動をしており、2024年から始まる【欧州フィジカル・スポーツメディカルレポート】と題したこの連載コラムでは、皆さんにフィジカル・スポーツメディカルの観点から現在のヨーロッパやスペインのスポーツ界で重要視されていること、皆さんの何かしらのヒントになるようなことを発信出来ればと思いスタートさせていただくこととなりました。







連載第1回目の今回は、日本ではまだあまり馴染みのないと聞いた 慣性トレーニング が、フィジカルトレーニングやスポーツ理学療法における「傷害からのリカバリー」、「傷害予防」、「再適応プロセス(競技復帰までのプロセス)」にどのように役立つかについてご紹介します。





慣性トレーニングとは


慣性トレーニングは私たちが自分自身で生み出す力に比例する抵抗力が発生するトレーニングの一種です。これは装置が同じ力を反対方向に生成する慣性力を利用することに基づいています。




◼︎パーソナルトレーニングやスポーツ理学療法にどのように活用するのか


私が代表を務めるInvisible trainingやトップレベルのスポーツクラブ施設、近年のパフォーマンス向上のためのパーソナルジムなどでは、フライホイールマシンと呼ばれる装置があり、私たちはパーソナルトレーニングやスポーツ再適応プロセスの多くに用いています。


フライホイールマシンは円錐形の構造で上部に滑車とロープが備わっており、これらの装置によって前述の抵抗が生成されます。ロープの固定位置の仕方は様々であり、その固定位置にとってこの力を増加、または減少させることが出来ます。固定位置が高くなるほど、ロープが巻かれる円錐の直径は小さくなり、円錐が生み出す慣性力を止めるための抵抗力は大きくなります。


また、この装置に重りを付けて負荷を自在に変えてコントロールすることが可能で、ディスク上に重りを付けたり外したりして負荷をコントロールします。これに関しては単純で、重りを付ければ付けるほど抵抗力が大きくなります。


これら全てを理解した上で負荷をコントロールしながら筋力にフォーカスした様々なトレーニングが可能になります。



◼︎フライホイールマシンを使用したスクワットの例


  • 円錐の上部にロープを固定し、ディスク上に重い重りを付けた場合、装置が生成する抵抗力は十分に大きくなるので最大筋力以下でトレーニングをすることになる

  • 円錐の下部にロープを固定し、ディスク上に軽い重りを付けた場合、前述のケースよりも装置が生成する抵抗力が小さくなるため、筋力を発揮する速度、またはポテンシャルによりアプローチすることが出来る

  • 覚えておくべきポイント1:ロープを引く速度や動作の実行速度に応じてトレーニングの負荷が増加する

  • 覚えておくべきポイント2:ポテンシャル(短い時間での筋力発揮)を高めることが出来る






◼︎どのようなアクセサリーがあるのか


  • ハンドル:上半身とコアのトレーニングにおいて有用

  • フットトリガー:内転筋、外転筋、内側広筋、ハムストリングス、臀筋などの具体的な部位へのトレーニングにおいてとても有用

  • トラクションベルト:荷重動作やランジなどのベーシックな動作を実行するのにとても有用



またフライホイールマシンを使用することにより、トレーニングで発生する一連のデータをモニタリングすることが可能となります。


例:

*どのような動作を発揮しているかを測定

*動作をストップできるまでどのくらいの時間がかかるのか、また特定のポテンシャルや筋力をある間隔で発揮させたい場合に、一連の動作を比較しどのタイミングでエクササイズを止めるべきかを知ることも可能




◼︎フライホイールマシンとその慣性トレーニングで何を獲得することが出来るのか?


  • 個人個人に適応した負荷:慣性トレーニングは発揮する力に正比例する力が抵抗力となるため、個人の筋力に応じて抵抗力が生成される。さらに各瞬間、リピートまたは一連の動作で発揮したい力を調整可能。

  • 自由な動き:この装置によりあらゆる動作や移動を実施出来る。フライホイールマシンを壁の高いところや低いところ、床に固定できるようにするための様々なアダプターも有。

  • モニタリングの可能性:エクササイズをどのように行っているのかをモニタリング出来るため、傷害や病気を防ぐための評価テストを行うことが可能。パフォーマンスの最大値の測定も行うことが出来る。

  • 傷害予防と傷害からのリカバリー:傷害予防と治療にはエキセントリックトレーニング(慣性トレーニングの主役となる筋収縮のこと)が強く推奨されている。

  • パフォーマンスの向上:フライホイールマシンを使用するとスポーツ動作、筋力、ポテンシャル、筋肉量を改善・向上させることが可能。



フライホイールマシンで行う慣性トレーニングは、近年のスポーツ界において非常に重要な存在であり、ベーシックなトレーニングの1つとなっています。

アスリートのパフォーマンスアップを向上させるだけでなく、傷害予防、そして競技復帰するための客観的データを得られる面でとても有用なため今回このような形で紹介させていただきました。


今後もこのような形でヨーロッパやスペイン、私の身の回りで見られるスポーツ界の変化などをご紹介させていただきたいと思います。


最後までご覧くださり、ありがとうございました。

ではまた次回で。






翻訳:古川勇太


≪Invisible training≫

ファンクショナルトレーニング配信サービス

Invisible training CEO、FCバルセロナ理学療法&RTP部門責任者チャビ・リンデ監修の下、毎月変わるテーマの解説や100を超えるエクササイズ動画を「いつでも」「どこでも」観て実践出来る次世代トレーニングサービスです。


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FNCLABの『新しいスタンダードを追求する』というコンセプトに基づき、競技、環境、文化、思想、経営等…あらゆるジャンルのあらゆる分野からさらなるパフォーマンス向上のためにヒントとなるものをエキスパートと共に探求するメディア。

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